主に感謝

カパティラン運営委員会委員長 松田 正人

「クリスマス・おめでとうございます」というにはいささか早すぎますが、御子イエスのご降誕を待ち望む気持ちは皆さんと一緒です。

 

今年も様々なことが起こり、そして過ぎていきました。経済環境厳しい中で、いやな事件も多かったですが、天変地異だけでもハイチの地震、中国の干ばつ、洪水、アメリカやロシアの熱波、と新聞紙面を賑わしました。

特に耳目を集めたのが南米チリに起きた落盤事故とその救出劇だったでしょう。マグニチュード8.8の地震が起きたのが227日、落盤事故のニュースは6ヶ月経った85日に伝えられました。チリ北部コピアポレ近郊のサン・ホセ鉱山で落盤があり、地下700mに33人が生き埋めになった事故でした。そして世界が絶望し始めた17日後の822日に33人全員がシェルターに避難して生存しているというメモがもたらされました。奇跡です。国民の88%がカトリック信者というキリスト教国での感謝と賛美の声は想像を超えたものだったでしょうそれからの補給や交信、そして救出までのテクノロジーの素晴らしさは言うまでもありませんが、信じて耐え、信じて待つ姿勢の強さに感銘を受けました。集団のパニックをコントロールしまとめるリーダーシップや巨額の資金注入を危ぶむ声やはたまたゴシップにまで興味がシフトされている中で、「神が引っ張ってくれた」という2番目の救出者の発言や、33人分の聖書が立て抗を通じて取り寄せられ、福音派の牧師でもあった作業員により定期的に礼拝が守られていたとの報道は私たちを喜ばせてくれました。

掘削機とドリルはアメリカの企業の提供だったとか。ベテラン技術者はアフガニスタンの米軍基地での井戸掘りの途中で駆けつけたとのことです。再度の落盤や地下水などの障害も心配されるところでしたが、世界が注目する中、カプセル「フェニックス」が予想(36時間以上)を上回る実績(22時間半)で33人と救助隊6人を全員無事に引き上げることができました。神への信仰と家族への思い、生の意欲が不屈の精神力の支えとなったことでしょう。心から主に感謝の祈りをささげたいと思います。世界の国々の連繋と平和協力が今後、何かのきっかけになってくれないものかと思いました。

 

ところでカパティランでは数年をかけて組織の改編と規約の整備などを検討してまいりましたが、明年より運営の体制を新しくすることと致しました。

くわしい説明は後日に譲りますが、これまで運営委員会と称してきた組織をカパティラン事務所との一体化と効率化、決裁の明確化などを期して理事会とすることとしました。理事にはとりあえず、これまでの委員会委員が移行しますが、担当わけを明確にし、責任ある分業を可能にすることとします。これに伴い、2001年東京教区のプロジェクトチーム時代に参加し、準備の委員会以降委員長として9年間在職いたしました私は、互選の結果、来年は財務担当の理事となることとなりました。新理事長には笹森田鶴司祭が就任します。

1988年の発足以来、様々な喜びと困難があり体制もメンバーも様々に変化し都度、力を得てまいりました。皆様のお支えにも心より感謝申し上げます。

新年からの新体制が聖霊の働きに導かれ実り多きものとなりますように。

変わらぬご加祷ご支援をお願いいたします。

今年も余すところ1ヶ月ほど、どうぞ良いクリスマスと新年をお迎えください。


報告 こども・家族・移住問題に関するアジア・太平洋の超宗派の討議 

アジア・太平洋移民ミッション(APMM)およびフィリピン教会評議会(NCCP)は、こども・家族・移住問題についてのアジア・太平洋の超宗派の討議を開催した。討議は、2010年10月8日から10日までフィリピンのマニラで行われた。移住の問題について議論し、その家族やこどもたちへの影響について考え、移民労働者とそのこどもたち及び家族に援助の手をさしのべ、ともに働くための協力を強める方法を見だす目的で、多様な宗教ベースの組織体および移民労働者グループからの30名の代表が集まった。
APMM議長 Rev.Cora Abugan氏は、キリスト教、イスラム教、仏教、ヒンズー教の各代表に歓迎の挨拶を行った。NCCP事務局長Rev. Fr. Rex R. B. Reyes氏が基調講演を行い、多様な宗派が移民労働者に援助の手をさしのべる必要性について討議すること、そして討議よりもより多くの時間を、具体的な提案と共通の行動への到達のために使うように喚起した。
討議では、まず、各代表が、移民労働者とその家族とどのような経験をもっているか、および、権利擁護についてどのような取り組みを行っているかについてのシェアリングを行った。第1グループは、移民労働者の受入国からの代表であり、日本(酪農学園大学、カパティラン/日本聖公会、ファミリーセンターヴィオラ)、韓国(韓国長老派教会)、香港(香港正義と平和のためのカトリック委員会、移民労働者委員会、香港カトリック労働問題委員会、極東海外ネパール協会)の代表であった。第2グループは、送り出し国からの代表グループで、フィリピン(メソジスト協会連盟、キリスト教会連盟、フィリピン独立教会、グッドシェパードの聖母の慈善団体)、インドネシア(Fatayat Nahdlatulウラマー)であった。受入国でもあり送り出し国でもあるタイは、第2グループに参加した。ビルマ、ミャンマーの代表である仏教の僧侶は、タイの移民労働者との任務についてのシェアリングを行った。
討議は、強制移民、差別、虐待、世界中での移民の解雇、政策、および移民労働者とその家族の権利を高め、保護することをめぐって続けられた。各代表は強制移住によってもたらされる経済的、心理的、身体的苦難から生じる家族とこどもたちの苦痛および苦しみに、重大な関心を寄せた。
  二日目も討議が続けられた。その後、宗教ベースの組織体と移民グループ間の関係づくりを進め、協力を強化することについてのワークショップが行われた。各代表は2グループに分かれ、討議で出た多くの問題について、さらに議論を行った。ワークショップの成果は慎重に議論され、ユニティ宣言としてまとめられた。ユニティ宣言には、移民労働者と移住に関する解決すべき多くの複雑な課題についての共通の理解、協議して解決するための行動の基礎となる提案が盛り込まれている。
討議第三日、各代表は大都市マニラで貧困にあえぐ地域のひとつである、Salaam Compoundクリアットビレッジを訪れた。Salaam Compoundはフィリピンのもっとも貧しい地域であるミンダナオ島からの移住待機者が移住の前に一時的に滞在する場所である。ここで、各代表は移住待機者(その多くは女性であった)と会い、話しあった。各代表は、移住待機者に住宅を与え、かれらの書類を準備している人たちにも会った。その人たちは、労働輸出を請け負う大手の人材斡旋会社の下請け業者のようであった。
 そこで昼食をとり、短い振り返りを行ったあと、キリスト教、イスラム教、仏教の代表メンバーによる超宗派の祈りが行われ、三日間の討議は成功裡のうちに閉会した。
ユニティ宣言 
 移民グループと宗教ベースの組織体の各代表は移民労働者とその家族に提供している一連の支援プログラムと奉仕活動について熟慮した結果、以下のことを認識するに至った。
 宗教共同体や宗教に基づくプログラムおよび奉仕活動の提供者によって提供されている移民労働者とその家族のためのプログラムや奉仕活動は、内容、頻度および程度において異なるが、移民労働者が求めているニーズに応えていること。
 これらのプログラムや奉仕活動の範囲は、権利擁護、リサーチ、人権と労働者の権利、言語が話せるようにすること及びコミュニケーション、福祉サービスの提供、不当な扱いに対する不満を法的援助により救済する方法、危機介入とカウンセリングサービス、特に虐待、家庭内暴力、人身売買の犠牲者のためのシェルターの提供、病人や拘留者のためのアウトリーチ、そして、移民労働者とその家族の人権と福利全般を守り高めるためのあらゆる人道主義の奉仕活動に及ぶこと。
 これらのプログラムと奉仕活動は、宗教やジェンダーおよび生物学的な性別、言語、民族、民族意識、出身国、あるいは経済環境にかかわらず、社会正義及びすべての人々の人権の尊重への宗教団体としての深いかかわりの表現であること。
しかしながら、各代表は、移民労働者とその家族の権利を守り、利益を高めるために、宗教共同体と宗教ベースの奉仕活動の提供者の参加を最大限に活用するにあたって、超えなければならない多くの課題があることも認識している。
 移民労働者とそのこどもたちや家族のためのプログラムはあるが、宗教共同体が取り組まなければならない分野の緊急の課題やニーズについては不足している。それらは(a)移民労働者が人権に気付くこと、(b)市民権のないあるいはビザなし移民労働者とその家族の問題、(c)結婚移民の問題、(d)苦境にある移民のシェルターあるいは避難所、(e)救済手段と訴訟手続きの利用可能性、(f)休養とレクリエーションのスペース、(g)政治的権利の不足、(h)出身国に帰る移民労働者のためのサポートプログラムの不足あるいは欠如、および(i)言葉の壁。
 移民労働者と共に、移民のために働く宗教共同体は、以下のいろいろな困難に直面している。(a)財源の不足、(b)国の指導者、それどころか宗教指導者による迫害、(c)送り出し国、受入国双方ともに移住に関する法律が存在することへの認識の欠如。
 各代表は、計画と奉仕活動をさらに拡げ強化していくためにいくつかの提案を行った。提案は、各代表の所属する組織体、グループ、さらには移民労働者とその家族に影響を与える課題に関心をもつあらゆる人々に提示されることを期待してなされたものである。以下に提案のいくつかを示す。
 1.送り出し国および受入国の宗教共同体と組織体のネットワークを設立し強めること、そして、移民労働者だけでなく、宗教の指導者や信徒、雇い主および地域共同体を含めた討議を創始する。
2.宣伝、諸メディア(ラジオ、テレビ、インターネット)を最大限に利用する、教育的なワークショップを行うことによって普及啓発、教育プログラムを積極的に行う。
3.財源やつながりを共有し、宗教共同体と組織体および移民労働者グループの協力と共同を促進するキャンペーンネットワークを開発する。
4.こどもの権利と福祉に特に注目させる。移民労働者のこどもたちに関する地域的な超宗派の会議を計画し、移民労働者とその家族、こどもたちの緊急の課題に焦点を当てた地域の宗教ベースの組織体との連携をとる。
5.権利擁護とビザなし移民労働者、拘置所で辛い思いをしている人たち、人身売買、結婚移民などの人権のためのキャンペーンをさらに進める。
6.権利擁護、組織化、ネットワーク化に関して、宗教共同体および組織体がより職務遂行能力をつけるように援助する。
(カパティランスタッフ)
 
■電話相談件数・相談内容 top3
<8月>・・・・・・・・77件
(1)ドメスティックバイオレンス・・・・・・51件
(2)子ども・育児に関する問題・・・・・・17件
(3)結婚に関する問題・・・・・・・・・・・・12件
<9月>・・・・・・・・・206件
(1)ドメスティックバイオレンス・・・・・・46件
(2)子ども・育児に関する問題・・・・・・32件
(3)労働関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13件
<10月>・・・・・・・・187件
(1)ドメスティックバイオレンス・・・・・・34件
(2)子ども・育児に関する問題・・・・・・28件
(3)法律関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9件
■ケースワーク件数/面談件数
<8月>ケースワーク 15件 / 面談 3件
<9月>ケースワーク 7件  / 面談 9件
<10月>ケースワーク7件  / 面談 2件