<136号>2010年 03月・04月

マッシーの思い出から

 

主教 大西 修、日本聖公会大阪教区主教

もう10年以上も前のこと、新潟県長岡市で牧会していた時、教会付属保育園の園長も兼任していました。その時 一人の男の子、マッシー(まさし)が年少児で在園していました。父親は日本人、母親がフィリピン人でした。母親とマッシーは片言の日本語でしたが、小さな園の中では楽しそうでした。両親が昼夜働いていたため、帰園後は小学校4年生のお姉ちゃんがマッシーのお世話をしていました。翌年6月、母親は2人の子どもを連れて突然帰国してしまいました。母親はわたしに会うたびにいつも「この子を牧師にしたい」と語っていました。今頃彼は元気でフィリピンで高校生活を送っているだろうか? そんなことを考える時、あの時もう少し彼らの生活についてゆっくり話を聞いてあげることが出来たならば、きっと何かお手伝いすることがあったのではないかと悔やまれます。
 
地方に住む在日外国人の人たちを一教会の働きで支援することは大変難しいことです。その点からすると、エキュメニカルな働きとしてこの問題に取り組んでいく必要性を痛感いたします。
 
名古屋では学齢期になっても学校に行けない在日フィリピン人の子どもたちのために、国際子ども学校が主に聖公会関係の方々の支援により、今では理解ある一部の企業や僅かながらも行政からの支援を得、ボランティアの方々の力を借りて、愛知聖ルカセンターの働きとして続けられています。しかし、克服しなければならない多くの人権問題、困難な政治的問題も絶えず内包しています。
 
 明るい希望のある働きとしては、岐阜県可児市の近隣で働いている多くのフィリピン出身者のための祈りと交わりの場が、昨年「可児伝道所」としてオープンしたことです。フィリピン人聖職と中部教区の聖職・信徒が協働してこの働きが進められています。
 
 今や200万人を越える在日外国人の人々と共に手を携え、協働して日々の生活を営んでいくことは当然のことであり、とりわけキリスト者にとっては当然のこととは言いつつも、当然ではない現状に目を向け、関わりを持っていくことは重要な課題です。今なお、わたしたちのうちに巣くっている排他主義、排外思想、単一民族の幻想などから抜け出すことが、まず第1に乗り越えなければならない大きな壁であると思います。
 
 大阪に住んで、そのことを一層強く感じるようになりました。在日外国人、ことに在日韓国朝鮮人の多いこの地にあって、日韓の歴史を振り返ってみますと「聖公会生野センター」の存在とその働きの持つ意義は実に大きいと思います。
 
和解と平和のシンボル的存在である「聖公会生野センター」は、人々の心の壁、民族の壁を打ち壊されたキリストを信じる信仰によって建てられたものです。全国の方々に祈りのうちに覚えられ、支援していただいていることを感謝しつつ、今後も地域社会の中にあって、弱い立場にある人々、少数者として今も差別されている人々、障碍を持って生きている人々などの立場に立って共に歩んでいきたいと願っています。
 
良き働きを続けておられるカパティランの上に、主の豊かな導きがありますようにお祈りいたします。

 —————————————————————————————–

運営委員会の一員としてひとこと

 

マリア景山恭子

 

カパティランに相談に来る人が、「私はひとりぼっちではない」という確信を得られれば、大きな一歩です。そして電話応対をする人もカウンセラーも、「私たちが一緒に歩く。あなたはひとりではない。」というメッセージを様々な形で伝えようとしています。今回、サンパギータにカナダ合同教会の信経をご紹介したく思ったのは、この信経が、そのままカパティランの宣教方針であると思うからです。読者の皆さまの日々の祈りの方法のひとつに加えて頂けたら幸いです。
 
信経—カナダ合同教会
 
わたしたちは一人ではありません
 わたしたちは神の世界に生きています。
 
わたしたちは神を信じています。
 神は創造され、今もその創造のみ業を続けられています。
 神はイエスをこの世に送られました。
言葉が肉体とされ、
世と和解し、新しくされました。
そして聖霊によってわたしたちや他の人々に働かれています。
 
わたしたちは神を信頼します。
 
わたしたちは教会となるように招かれています。 
 神が今ここにいてくださることを祝い、
 被造物を大切にしながら生活し、
 他者を愛し、仕えるため、
 正義を求め、悪を退け、
 十字架に釘(つ)けられ、復活されたイエスを、
 わたしたちの裁き主と希望である、
 と宣言するために招かれています。
生と死、そして死を超えた生命(いのち)の中で
 神は私たちと一緒におられます。
私たちは一人ではありません。
 神に感謝を捧げます。

——————————————————————————– 

電話相談件数・相談内容 TOP3
<1月> 138件                  
(1)   在留資格 …………………………… 49件   
(2)   ドメスティック・バイオレンス … 19件   
(3)   子どもの親権・養育権 …………… 14件    
<2月> 81件                 
(1)   在留資格 …………………………… 20件   
(2)ドメスティック・バイオレンス ……15件   
(3) 精神衛生関係 ………………………… 7件    
■ケースワーク件数/ 面談件数    
<1月>ケースワーク  6 / 面談 5               
<2月>ケースワーク12 / 面談 8